2007年1月5日金曜日

これまでの歩み ー 1. 創成期

私が入団した頃のMCOは、管弦打共にほぼメンバーが揃い、室内オケとしてある程度形が整った時期で、創成者であり初代代表でもあった武田信行氏を中心にメンバー同士のコミュニケーションもスムーズでアットホームな暖かさをもった、アマチュア・オーケストラとして、初々しさの中にも活気が満ちていた時期であった。

 入団のきっかけは、休日の昼下がりにたまたま立ち寄った三木市文化会館内の喫茶シンフォニーで、テーブルに置いてあった同会館の「今月の催し案内」に「三木室内管弦楽団定期演奏会」とあるのを見つけて、三木にアマチュア・オーケストラがあることを知り、すぐさま会館事務所で主催者の武田氏の電話番号を教えてもらい連絡を取ったところ、「じゃ、まず木曜夜の練習を見学に来てください。」とのことで、早速その週の木曜夜7時に練習場の緑ヶ丘公民館二階大会議室へ、楽器を持たずに出かけた。その時のメンバーの歓迎ぶりは本当に暖かく、少々緊張気味の私を一瞬にしてフレンドリーな空気で包み込んでくれた。

メンバーを見渡すと案の定フルートには既に2名の奏者がおられ、入団は無理だろうなと思っていたが、専門楽器を尋ねられフルートであると答えると、一斉に大きな拍手が起こり、武田氏がにこにこしながら「じゃ、次の木曜から来てください。」と言われた。あまりのあっけなさに驚いたが、一番驚いたのは、フルートのお二人が特に大きな拍手をして下さったことである。なんでも、「これで時々は、さぼれるわい」という事だったらしい。入団許可の理由が何であれ、ともかく念願のオーケストラに入団できて本当に嬉しかった。

パートは第二フルートであった。普通室内オーケストラでは二管編成だから降り番が多いだろうなと覚悟していたが、武田氏のご配慮で第二フルートはダブりでOKと言うことになり、本番でも楽しく演奏した。参加することに意義があり、技術の優劣に拘わらず音楽を楽しもうという団の姿勢が理屈の嫌いな私を益々楽しくさせた。

この当時の「上手い下手ではなく、音楽を心から愛し共に演奏する喜びを分かち合う」という基本理念は、団の血肉となって現在もメンバー全員に脈々と流れ続けている。創成期は、まさに音楽作りの前の人間作りそのものだった様な気がするのは私だけではないと信ずる。気高い精神から出る音、音楽もまた気高い。故に音はその人の人格そのものであると思った。

>>2. 団存亡の危機の時代 3. 再生期

土本康弘

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