2011年7月14日木曜日

7/3 練習日誌

かつて、一晩でベートーヴェンのシンフォニー全曲を演奏する、しかも大晦日に、という極めて馬鹿げた企画がありました。
馬鹿なことが結構好きな私はわざわざ東京まで出かけました。

指揮の岩城宏之は命を削っているかのようで、演奏しているのは岩城に惹かれた超一流の「寄せ集め」。プロがあんなに椅子からころげ落ちそうになるほど激しく、強く弦をひくのを見たことがありません。
1番から9番までまるでひとつのシンフォニーのようで、宇宙のようで、第9の合唱が始まるころには涙がこぼれてきました。

演奏会が終わって外に出ると新年です。火照った体に新年夜更けの風は心地よいものであったことを思い出します。
その年の6月に岩城さんは亡くなられました。

そのとき実感しました。指揮者は偉大だ。オーケストラにとって指揮者はかけがえのない、変わりえない存在だと。
7月3日、うちのオーケストラの指揮者事情を知り、思い出しました。
Iさん、本当にありがとう。
I (Cl)

1 件のコメント:

  1. 感動のメッセージをありがとう。次の演奏会が、私のこのオーケストラでの10年半の集大成になります。全力でやりますので、皆さんおつきあいのほどよろしくお願いします。

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