2011年11月26日土曜日

ありがとうございました Thank you all

本日をもって、私の三木室内管弦楽団との演奏活動に幕を閉じました。オーケストラの皆さん、これまでに演奏会に来て下さった皆様、そして様々な面で我々の活動のサポートをして下さった皆様、10年半の間ありがとうございました。感無量というのは、こういう気持ちのことを言うのですね。最後のメッセージとして何を書いていいのか、たくさんありすぎて、困っています。

Thanks to Miki Chamber Orchestra, all people who came to our concerts, and all the supporters for the past 10 and a half years. My heart is filled with deep emotion now. It's a bit difficult to decide what I should write here as my last message.
Photograph by 木崎優

このオーケストラとの経験は、音楽的にも人間的にも私を大きく育ててくれました。

I was trained a lot in music and as a person through the experience with the orchestra.



私の苦手だったモーツァルト。このオーケストラで多くのモーツァルト作品にチャレンジし、自分なりのモーツァルト像を作り上げることができたのは、大きな収穫でした。大好きなベートーヴェンの作品に対しても、常に白紙から作品を作り上げることを心がけました。皆さんのパッションで、室内管弦楽団から大きく背伸びした、ブラームスの交響曲や本日のチャイコフスキーの交響曲を演奏する機会にも恵まれました。実際に指揮者として演奏する機会に恵まれてはじめて、その曲の背景や作曲者の生い立ちなどを細かく調べることになります。これらの勉強を通して私の世界感も大きく変わりました。また、自分が日本人であるということを、より強く認識するようになりました。これは本当に貴重な経験でした。

I was not good at playing Mozart though I liked his music. So many opportunities to play Mozart with this orchestra were excellent challenges for me. I was able to build my style of Mozart. Orchestra gave me many opportunities to play Beethoven that I loved. I tried to draw my Beethoven from scratch every time I play. Passion by all of you gave us the opportunity to play the symphonies by Brahms and Tchaikovsky, which are much beyond the size of chamber orchestra. I was very lucky. These opportunities and challenges to play those as a conductor gave me the chances to study the lives of the composers, the cultures and the histories. Through such researches my view of the world changed dramatically, and I became strongly recognizing that I am a Japanese. This was very unique and important experience.

アマチュアオーケストラというのは、人間関係において最も難しい人間集団の一つではないかと思っています。つまり、価値観や目的、目標の違う人たちが集まって一つの芸術作品を作り上げ、お客様に楽しんでもらう。練習に出席することを何より最優先にする人もいれば、練習は多くのチョイスの中の一つにしか過ぎない人もいます。私のやり方に不満をお持ちの方がいらっしゃるのも承知していますが、それでもなんとか皆さんと一緒に、演奏会を続け、お客さんに感動を伝えられて来たこと、そのことを通して、うまくは言えませんが、私なりに多くのことを学ばせて頂きました。これは会社での経験よりも、何倍も貴重な経験だと思っています。

I believe amateur orchestra is one of the most difficult community, because each member has completely different value, purpose and goal to participate the orchestra, and trying to create an art to move people. Some people put the highest priority to join the practice on week ends. For some other people, joining practice is one of the many choices for their week ends. I knew some folks didn't like the way I did such as the schedule, choosing the compositions to play, etc., but I am proud that we made many concerts that audiences were moved, and they came repeatedly to our concerts. I learned a lot of things through making music with you all. I realized that this is much more important than what I can learn through working on my job in my company.

これからも、新しい指揮者とともに「お客様と一緒に音楽に感動する」演奏会を続けて下さい。長い間ありがとうございました。

I hope the orchestra will continue providing excellent concerts with new young conductors. Thank you all everything for long time.

岩田俊之
Toshi Iwata

2 件のコメント:

  1. nisimura hiroyuki2011年12月5日 3:05

    先程まで今日頂いたDVDを見ておりました。
    先週、演奏会が終わった時点では疲れもあってか、さほどの感慨は無かったのですが、
    改めて見ているとやはり色々な思いがこみ上げてしまいました。
    今回は大きなステージでチャイコフスキーの大曲に挑むという以外にも、
    10年間苦楽を共にした岩田さんの最期のステージという色々な意味での記念になる演奏会でした。
    演奏については、難を言えばきりが無いのは常のこと。
    それでも初期の演奏を思い返せばよくぞここまで辿り着けた・・・かな?とは思います。
    久保さんのソロも素晴らしいのですが、やはり圧巻はチャイコフスキーでしたね。
    難易度で言えばブラームスの方が難しかったかもしれませんが、
    何よりあの迫力を、元々が室内楽団のうちでどうやって出せるのか、
    正直、最期の最期まで首を捻り続けてネジ切れてしまいそうな思いでした。
    結果的にはやはりそれなりの演奏にしかなりませんでしたが、
    ああいうチャイコも有りなのかな・・・というものにはできたのではないでしょうか?
    2楽章なんかは結構気に入ってしまいました、
    最期でミュートを転がしてしまったのはいかにも私らしいご愛嬌・・・。
    これから見る方、CDを楽しみにしておられる方、とにかくまずはご覧に(お聞きに)なってください。
    そしてこの日に至る半年間を思い出してみてください。
    アンコールの『仮面舞踏会』、雑な演奏ですが皆はじけてます、そして・・・、
    何度もやったはずの『アンダンテ・フェスティーボ』が何と心に染みることか・・・ちょっと自画自賛???

    演奏以外については、コンマスの貧相なのはどうにもイメージダウンですね。
    せめてイケ面の好青年か、できれば美形のコンミスが理想・・でしょうか?
    見てくれだけではなく、実力も伴わない親爺に引導を渡せる新しい人材を、
    一日も早く確保できるよう探すのが急務です。

    最期になりますが、岩田さん、10年間本当にご苦労様でした。
    そしてありがとうございました。
    岩田さんのことですから、何処に行かれても何がしか音楽に関わることはあると思います。
    新しい環境、新しい何処かでできた新しい繋がりが、
    ひょっとしていつか我々と交わるようなことがあるかもしれません。
    そんな日が訪れることを夢に見てお互いに頑張りましょう。

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  2. 西村さん、
    そうですね。チャイコフスキーは素晴らしいエキストラの方々に助けられた部分が大きかったです。加古川フィルハーモニーからはお二人のコンミスの方に来て頂いていたというのは、あの後、加古フィルの演奏会に行って初めて知りました。

    あと、よく考えてみると、私個人としては、これまでに共演して頂いたゲストソリストの皆さんから多くを学びました。彼ら若手プロの音楽に取り組む真剣さから、お客様に聞いて頂く以上は、アマチュアもプロも関係ないと思うようになりました。お客様に対する誠意をもって演奏する、取り組むということが音楽に感動してもらえるかどうかのキーポイントですね。

    伊藤憲孝さん(http://noritakaito.fc2web.com/)
    木村みおさん(http://music.geocities.jp/mio_violin_lesson/)
    岩渕晴子さん(http://www.jso.mu/profile/Haruko%20Iwabuchi/)
    稲岡千架さん(http://musikchika.blogspot.com/)
    Duo SAKURA(http://music.geocities.jp/duosakura/)の(田村安祐美さん・田村安紗美さん)
    上野真理さん(http://blog.goo.ne.jp/musicinfo)
    ヰヴ呂山さん(http://www.freewebs.com/robinseve/)
    そして、久保敦子さん

    オケの皆さん、ゲストソリストの皆さん、本当にありがとうございました。

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